干し柿作りの適期と理由
干し柿に限らず干し果物(ドライフルーツ)や干し野菜作りには、空気は乾燥していて冷たく、晴天が続く時期が適していると言えます。そんな時期はいつかというと、北からの風が吹き始める「木枯らし」の時期。関東地方なら柿は11月頃に収穫の適期を迎えるので、干すのに適した時期に収穫し、収穫をしたらすぐに処理して干し柿にするのが上手いでしょう。
- なぜ空気が乾燥する時期が良いのか?
- 果物の水分を飛ばして乾燥させたいからです。空気中の水分が多いと速やかには乾燥しないし、湿度が高いとむしろ吸ってしまってカビの原因になってしまいます。
- なぜ空気が冷たい時期が良いのか?
- 空気が温かい環境よりもカビの活動が鈍くなるからです。
- なぜ晴天が続く時期が良いのか?
- 雨が降るとせっかく乾燥させた果物が濡れてしまうからです。適期にして雨が予想できる場合は屋根を設ける必要があり、軒下に吊るすあんぽ柿がよくみられます。干し果物作りでは水分=雨が大敵。水分を吸うと上手く乾かないし、カビが生え易くなります。また、太陽光を直接当てることで果物表面の殺菌が期待できます。
柿の木の一年
12月 剪定開始(3月くらいまで)
枝の剪定は葉が落ちてから行うのが上手いかも。枝だけになると遠くからでも枝の行方が分かり易い。ただし、できるだけ実を多く付けたいと思うなら、花芽が出た直後に行う方法がある。翌年の実の付き方を素人が予測するのは難しいので、花芽が出てからならば分かり易い。
11月 収穫
熟れると皮が剥き辛くなるので、そうなる直前のものがよい。陽が当たる部分が早く熟れる。北風の木枯らしを待ち、葉が落ちた後に収穫する事で、その後の関東は晴れ日が続き天日干しに適した日和が多くなり、冷風や放射冷却からは乾燥とカビ除けが、日射からは消毒が期待できるので、それまでの間の保存を不要にできる。埼玉の柿の木は葉が全て落ちているのにまだたくさん実がついているケースが多く、持ち主が木枯らし北風を待っている可能性がある。■東北・北陸で雪が降ると関東平野は乾燥し冷えるので乾物を作るのに適した時期に入る?
柿の実の処理の方法
表面を乾布で拭いてきれいにしたらヘタを取り除き、窪みに沿って半分に割り、皮を剥く。この時に窪みに皮が残ってしまったら後でその窪みに沿って割り、残皮を剥く。ヘタの黒くなった部分はフルーツボーラー(いもくり)で取り除く。最後に沸騰直前の湯に通して干し網に入れて干す。
10月 へたすき
柿の実が青から黄色に変わる時期。
9月 柿渋
柿渋(かきしぶ)はタンニンから作るので、柿の実にタンニンが多く含まれる青い時期に実を収穫して作るらしい。
6月 落果
幼果がヘタごと落ちる現象(生理落果?)(ジューン・ドロップ)
5月 花が咲く?
月はじめから中頃ほどに花が咲く。
4月 花芽
「柿の実は去年伸びた枝から伸びた今年の枝になる」との話で、たくさん実らせる為には去年伸びた枝を残す必要があるが、これが意外と難しい。そこで、実がなる前の花芽が出たところで剪定することで素人でも実のなるところを比較的簡単に残すことができるだろう。
3月
枝の先に新芽が出てくる。
疑問
へたすきはいつ頃から発生するのか?成熟期とはいつ頃か?