味噌作りの用具 
盥(タライ)、鍋or圧力鍋or寸胴、ポテトマッシャーorすりこ木orミンチ機、タッパーor甕(かめ)等の保管容器、他
手作り味噌の作り方 / 手順 
- 買ってきた大豆をよく洗って水に漬け、水を吸わせる。
- 水を吸って膨れた大豆を鍋で煮て火を通す。
- 火を通し、柔らかくなった大豆を潰す。
- 塩を混ぜた麹(こうじ)と混ぜる。
- 保管容器に移して数ヶ月間、発酵させる。
味噌作りに際しての注意 / 心得 
- 1.は、仕込む日の前日夜に行い、充分な時間、水に漬ける。大豆は水を吸うと膨れて体積が増えるので、水面から顔を出さないよう、たっぷりの水に浸す。
- 2.は、落し蓋をして柔らかくなるまで弱火でチロチロと数時間煮る。柔らかさは、中心まで火が通り、芯が無い程度まで。
- 3.は、煮汁と煮大豆を分けてから。煮汁は後の固さ調整に利用するのでとっておく。
- 5.は、できるだけ空気を抜く。容器の周囲にこびり付いた大豆は完全に拭き取る。
手作り味噌の解説 
手作り味噌の中で起きていること
大豆のたんぱく質や米のデンプンを麹菌の酵素が分解し、酵母や乳酸菌の働きも加わって味噌のうま味や香りを作り出す。
まず、大豆のたんぱく質は麹の酵素によってアミノ酸やペプチド等に分解され、食べた際の旨み(うまみ)を作り出す。一方、米の表面で繁殖した麹菌は米のデンプンを分解し、麦芽糖やブドウ糖を作り出す。これらは食べた際には甘味として感じられる。また、大豆には多くの油(脂肪)が含まれているが、これらも麹菌の作り出した酵素によって分解され、酸味を作り出す。
香りは、ブドウ糖が酵母の作用を受けてアルコールやエステルを作り出し、これが味噌の香りになる。また、腐敗防止の為に加えられた塩はそのまま塩味として残る。
こうして、甘味・酸味・旨味・塩味・香りといった味噌の要素が作られる。
各種味噌の違い
味噌には様々な種類があるが、それらの種類は原料の違いや配合の違い、処理の違い、発酵熟成期間の違い等の各工程の処理法から派生する。特に、出来る味噌の色の違いは以下の要点で派生する。
- 麹に米麹 or 麦麹を使うか、豆麹を使うか。
米麹 or 麦麹使用だと薄く、豆麹使用だと濃くなる傾向がある。 - 大豆を煮るか、蒸すか。
煮ると薄く、蒸すと濃くなる傾向に。 - 大豆に火を通す時間をどれくらいとるか。
短時間だと薄く、長時間だと濃くなる傾向に。 - 米 or 麦と豆の配合割合をどうとるか。
米or麦が多いと薄く、豆が多いと濃くなる傾向。 - 固さ調整に冷まし湯を使うか、煮汁を使うか。
冷まし湯を使う場合は薄く、煮汁を使う場合は濃くなる傾向に。 - 発酵熟成期間をどれくらいとるか。
短いと薄く、長いほど濃くなる傾向に。
味噌の仕込み配合について
麹歩合
原料である大豆に対する麹の割合を示す。例えば、1kgの大豆に対し1kgの麹を使った味噌は10割(10歩)麹の味噌。1kgの大豆に対し、1.2kgの麹を使った味噌は12割(12歩)麹の味噌、と表す。麹歩合の高い味噌ほど甘く白い。
麹割合(歩・割)=麹の重量(kg) / 大豆の重量(kg)×10
塩切歩合
原料である麹に対する塩の割合を示す。塩切歩合の高い味噌ほど(塩)辛くなる。
塩切歩合(歩・割)=食塩の重量(kg) / 麹の重量(kg) ×10